まず、井戸水をたっぷり注いだバケツを持っているご自分の姿を想像してください。家に戻る途中、そのバケツには小さな穴がいくつも開いていき、水がどんどんバケツから漏れ、家に着くと水はまだ残ってはいるものの、当初持ち帰ることができると思った量は入っていない、といった状態です。
この「水漏れバケツ」はコンバージョンファネルを例えたもので、ネットショップ到着から購入に至るまでの訪問者の経路を解説しています。
eコマースにおいてはその経路は以下のように見えるでしょう
カテゴリーページ > 商品ページ > カートに入れる > 購入
もちろんこれはかなり簡略化したものです。それぞれのファネルによって異なりますし、一つのサイト内でも購入過程には複数の経路が存在します。
そして、バケツに開いてしまった穴のように、それぞれのステップには水(訪問者)がバケツ(ファネル)から漏れてしまう理由は多数存在します。
さて、ここで次の質問を考えてみましょう:あなたは、より多くの水をバケツに残すために走るべきでしょうか?それとも、水漏れするバケツの修理に徹底的に時間を費やすべきでしょうか?
バケツを修理することを選んだ皆さん、おめでとうございます!
その答えを選んだ方は「最適化を好む」人だと考えられます。より少ない行き来でより多くの水を運ぶことができるなら、私もその方法をぜひ選びたいと思います。
コンバージョンファネルの漏れの見つけ方
本記事では、全体にわたってGoogleアナリティクスのレポートを参考にしています。Googleアナリティクスは無料でアクセスすることができる分析ツールで、ここでは実演や例を示すために使用しています。 Shopifyストアをお持ちの方は、こちらをクリックし、その他のレポートや分析をご覧いただけます。
Googleアナリティクスには、コンバージョンファネルを分析するためのファネル関連レポートが以下の通り3つあります:
- 目標到達プロセスレポート(コンバージョン > 目標 > 目標到達プロセス)。これは最も基礎的なレポートで、目標別のファネルが図で紹介されているものです。
- ゴールフローレポート(コンバージョン > 目標 > ゴールフロー)。ゴールフローレポートでは、コンバージョンの最も正確な経路を表示しています。また、より高度に細分化された比較や日付毎の比較ができるため、目標到達プロセスレポートよりもやや柔軟性があるものです。
- 目標パスの解析レポート(コンバージョン > 目標 > 目標パスの解析)。このレポートはあなたの実際のファネルを表しています。ここでは、存在していることすら知らなかったファネルを見つけることができるでしょう。基本的にはコンバージョン前に訪問した3ページが表示されます。このレポートを見る際には、ビジターがファネルのどこで退出しているかをご自分に問いかけてみてください。その場所こそ、修正しなければならないファネルの“漏れ”が存在する箇所です。コンバージョン率を改善するためには、これらの漏れをどう塞ぐか、そしてどのようにビジターをファネル内に留まらせるかを考える必要があります。
上記3つのレポートを比較すると、ファネル内の問題箇所を素早く特定することができるはずです。それでは、そのような漏れを塞ぐには一体どうしたら良いのでしょうか?
我らは神を信ずる; その他はデータを要する
W・エドワーズ・デミングの言葉である「我らは神を信ずる; その他はデータを要する(In God we trust–all others bring data)」とあるように、最初のステップは定量および定性調査を実施し、“なぜ” ファネル内に穴が存在し、そしていかにそれらを塞げば良いのかを見出すことが必要になります。
ファネルの下へと行けば行くほど、塞いだ漏れのインパクトは大きくなります。コンバージョン率のわずかな上昇は、ファネル上部よりもファネル底部の方がより大きな影響を及ぼします。そのため、ファネル底部から調査を始めることが賢明だと言えるでしょう。
定量調査の実施方法
定量調査は数値を用いた客観的な調査です。ビジターや顧客行動の裏にある「何か」を明らかにすることを目的としています。コンバージョン率最適化において、通常定量調査は以下の手法の中の1つを参考にして実施されます:
1. テクニカル分析
あなたのショップがうまく機能していなければ、コンバージョンもうまく行きません。それは当たり前ですね。
誰もが皆、最新版ブラウザやOSを使用していればいいのですが、現実はもっと複雑です。あなたが最新のiPhoneを持っていたとしても、 未だに数年前のスマホを使っている人もいます。
テクニカル分析では、このようなビジターやバイヤーの違いを認識し、大きく分けて以下3つの主要コンセプトを網羅します:
1. クロスブラウザ&クロスデバイス検査。この検査は、ネットショップができるだけ多くのブラウザやデバイス上で正確に作動することを確保するプロセスのことです。もちろん簡単な作業ではありません。なぜなら、ブラウザやデバイスにはたくさんのバージョンがあり、しかもそのようなアップデートには手付かずな場合が多いからです。そのため、誰もが最新版のブラウザーやデバイスを使用しているとは推測できません。
BrowserStackなどのツールやお好みのアナリティクスツールを使用すると、このプロセスを迅速に処理することができます。例えばGoogleアナリティクスでは、以下のような二種類のレポートを閲覧することができます:
ユーザー >テクノロジー > モバイル > デバイス
また、データ画面からサイト平均と比較に切り替え、ブラウザやデバイスの相関関係を比較してください。ただし、同じ系統(例: AndroidとAndroid、ChromeとChrome)のものを比較するようにしてください。
例えば、以下の通りです:
右上にあるようにサイト平均と比較画面がアクティブになり、比較測定基準として“購入完了(Purchase Completed)”項目が選択されていることがわかります。ご覧になっているのは、ネットショップの中で一番人気のあるChromeのバージョンと、それらがどのくらいの割合でコンバージョンに至っているかというデータです。
このような種類のレポートは、クロスブラウザーやクロスデバイス検査において優先順位を付けることに役立ちます。特定のネットショップにおいて、最も人気があるブラウザーと最も問題があるブラウザーを特定し、検査をそこから開始することができます。
2. モバイル最適化。モバイル体験の最適化を試みている時は、それを念頭に置くことが重要です。モバイル環境で人々が必要としていることは、デスクトップの環境とは大きく異なります。小さな画面でデスクトップ体験をするわけではなく、意図、動機、状況など、すべてが違うのです。良好なモバイル体験とは、文字通り“モバイル上で”の快適なエクスペリエンスのことを意味しています。
3. ページスピード最適化。Googleによると、モバイルのランディングページを完全に読み込む平均速度は22秒とのことですが、読み込みに3秒以上かかるページから退出してしまうモバイルページ訪問者は実に53%に上るそうです。これは、サイトの読み込み速度が遅いと、販売促進を始める以前にビジターを失ってしまうことを意味しています。 Googleアナリティクスをご使用の場合には、行動 > サイトの速度にあるレポートで、速度の遅いページを特定することができます。どのようにページ速度を改善するかについてのアドバイスを知りたい方は、それらの低速度ページを PageSpeed Insights上で読み込んでみてください。
2. 深く掘り下げたアナリティクス調査
すでにShopify分析機能をお使いのようであれば、あらかじめすべてが正確に設定されているので心配無用です。ただし、自分で設定をしなければならないGoogleアナリティクスなどのツールではどうすれば良いでしょうか?アナリティクスツールは、簡単に間違えた設定をすることができてしまいます。そのため、より掘り下げたアナリティクス調査をする前に、以下の事柄を自問自答してみてください:
- 必要なデータはすべて集まっているか?
- 集まったデータを信用することはできるか?
- 壊れたデータや、間違ってトラッキングしてしまったデータはあるか?
アナリティクスが不正確または不完全であると、そのデータを基にした意思決定が見当違いなものになり、最終的にはすべてが無駄になってしまいます。
データが正確であることをきちんと確認しておけば、ビジターや顧客の行動をより良く理解するための、より深く掘り下げた調査を実施することが可能になります。尚、データを精査する際に考慮すべきことは以下の通りです:
質問もしくは問題からスタートする。ロナルド・コース氏は「データは、長い時間をかけて突き詰めていくとすべてを告白し始めます」と言ったことがありました。つまり、ある特定の先入観や推測を持ちながらデータ分析をすると、じっくりとデータを眺めていればそれを裏付ける何かを必ず探し当てることを意味しています。この罠を避けるためには、答えにつながる質問や解決すべき問題からデータ分析をスタートすることが重要になります。時間を費やすべき質問や問題を見出すためには、それに対する答えや解決案を使って何をするか、ということを自分に問いかけておくことです。次に取るべきステップを明確に定義できないようであれば、それは的確な質問や問題ではないのかもしれません。
価値が存在するところからスタートする。どんなアナリティクスツールを採用するにせよ、手元にあるデータが尽きることはないでしょう。それでは、集めたデータからできるだけ早く最大限の価値を得るにはどうすれば良いのでしょうか?そのような場合には、情報量が多いもののコンバージョンが低いページ(例:古いブログ投稿など)、もしくは量は少なくともコンバージョンが高いページ(例:チェックアウトページ)からスタートすることが得策です。ここでは、コンバージョンを改善することが、より大きなインパクトを与えることにつながります。
リンク切れを修復する。リンク切れとは、ユーザー体験と検索エンジン最適化の両方の側面において悪影響な、「404エラー」のことを示します。404エラーが出た場合には、アナリティクスツールを使ってリンク切れをより早く特定・修復することが望ましいとされています。例えばGoogleアナリティクスでは、リンク切れを「行動 > サイトコンテンツ > すべてのページ」から見つけることができます。まず404ページ(“404 Page Not Found(お探しのページは見つかりませんでした)”と表示されたページ) のページタイトルを検索し、プライマリ ディメンションとして左上の「ページタイトル」を選択してください。
そして404と検索窓に入力して、出てきたリンクをクリックすると、404エラーが表示されたURLのリストを見つけることができます。その後、左上のセカンダリ ディメンションのドロップダウンを使って「行動 > 完全なリファラー」を選択すると、404エラーページにリンクを貼っているURLを表示することができます。これは、別の場所にリンクを貼る旨を依頼したい時に役立ちます。
内部検索機能は情報の宝庫。あなたのサイト上に内部検索機能があるとしたら、宝の山の上に座っているようなものです。ビジターがサイト上で何かを検索するごとに、彼らが何を欲しているのか、彼らが探しているものをきちんと提供できているか、などを教えてくれます。例えばGoogleアナリティクス上では、「行動 > サイト内検索> サイト内検索キーワード」を使ってそのような情報を見つけることができます。検索語レポートには、最も頻用されている検索語の一覧が表示されます。それぞれの検索語に対してどれだけ対応できているかは、「検索後の滞在時間」測定基準を見ればわかるようになっています。検索しているものが見つかった時には「検索後の滞在時間」は長くなります。見つからなかった場合にはその時間は短くなります。人気のある検索語に対する「検索後の滞在時間」が短いとしたら、それはそこに製品機会が存在することを意味します。
細分化が重要。アナリティクスデータを細分化することには計り知れない利点があります。データを細かく分ければ分けるほど、いろいろな視点からの見解を発見することができます。
3. フォーム・アナリティクス
チェックアウトフォームやリード・ジェネレーションのためのシンプルなお問い合わせフォームは、コンバージョンへと導く重要なポイントです。これらのフォームは、ビジターや顧客とコミュニケーションを取るための手段です。どのようなコミュニケーションを取っているか、またフリクションがあるかどうかなどを知っておくと良いでしょう。
Formisimoなどのフォーム・アナリティクス・ツールは、以下のような重要な疑問に答えてくれるはずです:
- フォーム上で最もエラーメッセージを引き起こしている欄はどこか?
- ビジターが入力を躊躇するのはどこか?
- 入力必須欄にも関わらず、ビジターが空欄にしてしまう箇所はどこか?
これらのデータを活用してフリクションを軽減すれば、コンバージョン率を改善することにつながります。
4. ヒートマップ
ヒートマップとは、色分けされたデータ値が表示された可視化グラフのことです。 ほとんどのツールでは、暖色(赤、橙、黄色)で高い値を、また寒色(青、緑)で低い値を表しています。
コンバージョン率の最適化のために使われるヒートマップは主に二種類あります:
- クリックマップ:クリックマップ上のデータは、実際よりも役立ちそうに見えるかもしれません。クリックマップは、サイト上でビジターが外部リンクへ移行しようとする場所を特定することに適しています。言いかえると、ビジターがリンクだと勘違いしてクリックしている箇所を特定してくれるのです。そのようなリンクのない箇所にリンクを貼ることで、より良いユーザー体験を提供することが可能になります。
- スクロールマップ:スクロールマップは、クリックマップよりも便利なツールで、特にカテゴリーや製品ページでのメッセージングに優先順位をつける時に役立ちます。例えば、スクロールマップが赤から青に突然変化したら、矢印などの「ポインター」を使い、ビジターがスクロールし続けることを促す必要があります。また、ビジターが退出する地点よりも前(上)に大切なメッセージを表示するようにするといいでしょう。
定性調査の実施方法
定性調査は予備的かつ主観的なもので、ビジターや顧客の行動の背景にある「なぜ」を紐解くことを目的としています。コンバージョン率の最適化においては、通常以下の手法を用いて定性調査が行われます:
1. オンサイトアンケート
オンサイトアンケートについてはご存知の方も多いのではないでしょうか。オンサイトアンケートとは、ウェブサイトをブラウズした時に、簡単な質問に答えるようにポップアップされるアンケート調査のことを示しています。例えば、アシックス社は以下のようなオンサイトアンケートを使っています:
オンサイトアンケートには、以下のように主に二種類のアンケートがあります:
- 出口アンケート:ビジターがブラウザーのタスクバー上にマウスをかざすなど、サイトから出る意思を見せた時に作動するものです。ビジターがサイトを出る前に、フィードバックや情報を集めるには絶好の機会です。
- Webページアンケート:ビジターがウェブページを訪問すると、その直後もしくはある一定時間(例:30秒)が経過した後に作動するものです。ビジターがサイトにいる間にフィードバックや情報を集めるには絶好の機会です。
Webページアンケートでは、すぐに使用可能なデータの抽出に焦点を当てるようにしてください。これに一番良い方法は、サイト内のフリクションを特定することです。
上記のアシックス社の例を見ると、ビジターはユーザー体験に関する10段階の評価をするよう促されています。しかし、そこからマーケティングに役立つようなアンケート結果を抽出することは難しいでしょう。このアンケート結果は、ネットショップが全体的にどのくらい良い業績を上げているかを示しはするものの、フリクションがどこにあるのかを識別することは難しいかもしれません。そのため、ネットショップ内でのエクスペリエンスを改善することには役立ちません。
アシックス社の質問は全体的に定量(数値)のものばかりです。しかしWebページアンケートでは、定性、つまりエピソードや説明などを書き込むことができる自由回答形式の質問をすると最も効果を発揮します。
以下はフリクションに焦点を当てた、自由回答形式のアンケート質問の例です:
- サイト訪問の目的は何ですか?
- 作業を完了することはできましたか?
- できなかったとお答えした方は、なぜ完了できなかったのですか?
- 購入を躊躇する理由は何ですか?
- 回答を得られなかった疑問点はありますか?
オンサイトアンケートが優れた効果を発揮するのは:
- 自由回答形式の質問を一つした時。
- はい/いいえで答える質問をし、その回答への説明を求めた時。
オンサイトアンケートへの回答は、サイト上にある「お客様からのご意見」に必ず掲載するようにしてください。
2. 顧客インタビュー
顧客と電話で直接話せること以上に効果的な調査方法はありません。顧客に直接会うことができればなおいいでしょう。
顧客はどんな人なのか、なぜ自分のショップで購入することにしたのかなど、顧客の核心に迫る質問は多数存在します。大切なのは、顧客の考えをしっかりと理解するために、用意周到にインタビューに臨むことです。
それは、以下のことを意味します:
- 適正な参加者を募る。すべての顧客が同じというわけではありません。多くの場合、最も効果的な情報は直近の顧客、リピート客、そして過去に顧客であった人たちから得ることができます。回答を得たい質問や、解決したい問題を明確にすることが、どの顧客グループにインタビューすれば良いかを決める手がかりになります。
- 的確な質問をする。顧客インタビューではおきまりの質問があるわけではありません。手短かで自由回答式の質問をするように努め、それらの質問から自分の先入観や推測を取り除くようにしてください。また、解決に導くための質問をする前に、顧客が直面している問題点を理解するよう心がけましょう。大抵の場合、効果的な質問は解決策ではなく問題点に焦点を当てたものです。そして最終的には質問だけにとどまらず、インタビュー参加者がロールプレイやデモなどに集中できるようはたらきかけることも大切になります。
- インタビューを適切に書面化する。メモを取ることも役には立ちますが、インタビューをしっかりと記録することが重要です。Revのようなサービスを使ってインタビューを書き写すことも可能です。インタビュー中には音声、動画、メモなどを駆使して内容をしっかりと記録しましょう。対面インタビューをしている場合には、短期アシスタントを雇うのが最善策です。インタビュー中に書面化することに気を取られていると、参加者ときちんとコミュニケーションを取るのが難しくなってしまうからです。
インタビュー終了後に書類を見直し、インタビューから何を学んだかを考察してみてください。 インタビュー実施前に仮説を作成しておき、調査を通してその仮説が正しかったか、もしくは間違っていたかを立証するのに非常に役立つと思います。
3. 顧客アンケート
オンサイトアンケートでは、サイトを訪れた人に対して一、二問だけ質問していると思います。本格的な顧客アンケートでは、より多くの質問を、直近に購入のあった顧客に対して聞くことができます。
顧客アンケートを作成する際には、以下のことに焦点を当てることをおすすめします:
- あなたの顧客が誰であるか定義する。
- あなたから商品を購入する前後に顧客が直面した問題点を定義する。
- 顧客が購入前に躊躇した理由を定義する。
- 顧客があなたのショップや商品にどのような印象を持っているか、その言葉やフレーズを識別する。
上記を行うためには、直近に購入のあった、今まで接点のなかった顧客にアンケートを送付することが最も効果的です。
回答を分析し始める前に、まず約200件のアンケート回答を集めることが妥当だと言われています。これはあくまでも一般的な考えなので、必ずしもそれに従う必要はありません。これだけの回答数があれば、膨大な量のアンケートデータを分類することなく、トレンドや行動パターンを識別することができるはずです。
顧客アンケートへ記載した方が良い質問は以下の通りです:
- お客様についてをお聞かせください(性別、年齢層など)。
- 弊社商品をお使いの理由をお聞かせください。
- ご購入いただいた商品では、どんな問題が解決されますか。
- ご購入いただいた商品の何が最も気に入っていますか。
- 代替品のご購入は検討されましたか。
- 競合他社の商品ではなく、なぜ弊社商品を購入するに至りましたか。
- ご購入をもう少しで断念した可能性があるならば、その理由をお聞かせください。
- 弊社のネットショップでお買い物をすることに際し、懸念点もしくは躊躇する理由があればお聞かせください。
これらの質問すべては、あなたの商品がもたらす付加価値や、購入前の先入観による抵抗感に焦点を当てています。これらはコンバージョンにつながる重要な要素であるため、内容をしっかりと理解することが大切です。
アンケートはリピーター顧客や過去の顧客にも送ることができますが、通常は直近に初購入のあった顧客から調査を始めることが最も効果的だと言われています。
4. ユーザーテスト
ユーザーテストでは、実際のユーザーが自分たちの思いや行動を声に出しながら、あなたのサイト上で作業することを観察できる場を提供してくれます。
通常自分のサイトについては熟知し過ぎているために、欠点や弱点にはなかなか気づくことができません。そのため、このようなテストは非常に役立ちます。あなたのショップをまったく知らない誰かを目にすることは、自分を謙虚な気持ちにさせるだけでなく、本質を突いた内容が露呈することが多いものです。
ユーザーテストを実施する際、参加者には少なくとも下記3つのタスクを割り当てましょう:
- 一般的タスク - 例:「購入したいと思うビデオゲームを見つけてください」
- 特定タスク - 例:「価格帯が40〜50ドルくらいの任天堂スイッチのゲームを見つけ、カートに追加してください」
- ファネルの完了 - 例:「買いたいと思うものを何か購入してください」
ユーザーテストで何らかのツールを使用している場合には、ユーザーのタスク終了後に、そのセッション記録へのアクセスを得ることができるはずです。そのため、あなたの干渉なしで、ユーザーは自らタスクを実施し、完了することができます。
ユーザーテストが実況で行われる場合には、セッション内容を注意深く観察・視聴することに重点を置きましょう。ユーザーに明確な指示を出せるように、あらかじめその内容をチェックしておくことも大切です。セッション中に個人的な意見を求めたり、質問に答えてもらうことは避けてください。
5. セッションリプレイ
セッションリプレイはユーザーテストと似ていますが、ここでは実際にあなたの商品を買う意思のある人や本物のお金を取り扱うことになります。実際のビジターがあなたのウェブサイトを訪れる様子を、ナレーションなしで見ることができるのです。
ここでは、あなたのサイト上で顧客が何を見つけるのに苦戦しているか、どこで停止してしまうことが多いか、どこで混乱してしまうのか、どこで買うのを諦めてサイトから退出してしまうのか、などを実際に見ることができます。
セッションリプレイでは優れたメモ取り技術が必要になります。たくさんのリプレイを見るに連れて浮き彫りになる、ある一定の行動パターンやサイトの顕著な欠点などを書き留めましょう。
あなたのネットショップに馴染みのない、居心地が悪そうなビジターを観察すると、驚くべき発見があると思います。
あなたのショップへ訪れるビジターが、どのページ、またはコンバージョンファネルのどの地点でつまずいたり苦戦するか、ということに特に注意を払ってください。ファネルのあちこちで細かな改良を行なうことで、大きな影響を及ぼすことができるからです。
より少ない井戸への往復へ
これからも、あなたのバケツにはいつも穴が開いているでしょう。1つの穴を塞いだと思っても、他にもう2つの穴を見つけてしまうこともあるかもしれません。しかし、漏れを見つけるたびに、より効果的にその穴を塞ぎ、それによって井戸への往復をより効率化することができるのです。
くれぐれも井戸から走り帰り疲れ切ってしまう(つまり、より多くのビジターを漏れの多いファネルに送り込む)ことがないようにしてください。その代わりに、バケツをしっかりと分析して常に良い状態に保つことに注力しましょう。それには継続したメンテナンスが必要になりますが、バケツの中に水(つまりお金)を溜めておくことができるため、それだけの価値は必ずあるはずです。
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