Metaピクセルは、Facebook広告の影響をより深く理解し、行動を促進するための効果的なツールです。このツールを利用すれば、広告を閲覧した後にどのようなアクションが取られているかを把握し、商品購入や特定の目標達成の可能性が高いユーザーに対して効果的にアプローチできます。
Metaピクセルとは?
Metaピクセルとは、Meta(旧Facebook)が提供する解析ツールで、Facebook広告キャンペーンの効果を測定するためのものです。このツールを活用することで、ユーザーがあなたのウェブサイトで取る行動を追跡し、広告の成果を詳しく分析することができます。
Metaピクセルは、サイトに貼り付けることのできるコードで構成されており、このデータを使用することで、以下のような情報を得ることができます。
- ページビュー(ユーザーがページを訪れた回数)
- カートに追加(商品をカートに追加した動作)
- 購入(実際に商品の購入が行われた場合)
- スクロールの深さ(ページ上をどの程度下までスクロールしたか)
- ページ滞在時間(ページに滞在した時間)
- その他のカスタマイズ可能なイベント
上記の情報をもとに、将来的にFacebook広告でリターゲティングしたり、ユーザーがサイトに戻ってきたときに何をしているかを確認したりできます。
Metaピクセルの仕組み
Metaピクセルは以下のような仕組みで機能します。
1. ピクセルの設置
Metaピクセルの使用は、ウェブサイトに専用のトラッキングコードを追加することから始まります。このコードをウェブサイトのヘッダー部分に埋め込むことで、訪問者の行動を追跡できるようになります。
2. インサイトの収集
ピクセルを設置すると、ウェブサイト訪問者に関する詳細なインサイトが得られるようになります。このデータには次のような情報が含まれます:
- トラフィックの流入元: 訪問者がどの広告やリンク、検索エンジンから来たのかを把握。
- 使用しているデバイス: デスクトップ、スマートフォン、タブレットなど、利用されているデバイスの種類。
- 訪問者の基本情報: 地域、年齢層、性別などのデモグラフィックデータ。
3. 行動の確認
訪問者がウェブサイト上でどのように行動するかを確認します。特定の商品ページを閲覧したり、ショッピングカートに商品を追加したりといった行動が把握できます。
4. オーディエンスの構築
ピクセルが収集したデータを基に、次のようなターゲットオーディエンスを作成できます:
- カスタムオーディエンス: 過去に特定のページを訪問した、または特定の行動を取ったユーザーをターゲットにする。
- 類似オーディエンス(Lookalike Audience): 既存のカスタムオーディエンスに似た行動や特徴を持つ新しい潜在顧客層を発見。
5. 入札の最適化
最低コストの入札戦略を利用して、例えば製品を購入するなど、望ましい行動を取る可能性が高い人々に効率的にリーチし、予算を有効に活用します。具体的には以下の方法があります:
- 目標に基づいた入札: 例えば「購入」や「問い合わせ」といった特定の目標を達成するため、最も効果的なオーディエンスにリーチ。
- 低コスト戦略: 無駄な支出を避けながら、目標達成の可能性が高いユーザーに集中して広告を表示。
- リアルタイムの調整: ピクセルが提供するデータに基づき、広告キャンペーンの入札額やターゲット設定をリアルタイムで調整。
6. イベントの分析
コンバージョンイベント(例:購入、フォーム送信、クリックなど)を分析して、自社に最適なFacebook広告戦略を決定します。
Metaピクセルの使い方
- ピクセルを作成
- ピクセルに名前をつける
- パートナー連携を確認
- ウェブサイトと連携
- コンバージョンAPIの設定
現在のMetaピクセルは、古いバージョンのカスタムオーディエンスピクセルと同様に機能します。ウェブサイトのすべてのページに表示させるには、インデックスページのヘッダーセクションに置かれる必要があります。どのページが読み込まれてもピクセルは起動し、訪問者がどこにいるかを追跡します。
まだ使っていない場合は、まずピクセルを作成する必要があります。広告マネージャにアクセスしてください。そして、「イベントマネージャ」のピクセルタブに移動します。
1. ピクセルを作成する
をクリックして「データソースをリンクする」からデータソースを選択します。
2. ピクセルに名前をつける
データソースを選択したら、ピクセルを識別しやすいように、わかりやすい名前を付けます。
3. パートナー連携を確認する
Metaは、多くのウェブサイト構築プラットフォームやツール(例:Shopify、WordPress、Wix)と連携することができます。自分のサイトのURLを入力します。使用しているウェブサイトプラットフォームがMetaと連携している場合、設定が簡略化されます。
4. ウェブサイトと連携する
サイトが連携できる場合、連携オプションを選択します。「コンバージョンAPIとMetaピクセル」または「Metaピクセルのみ」を選択し、次へをクリックします。Meta社は「「コンバージョンAPIとMetaピクセル」のオプションを推奨しています。
5. コンバージョンAPIを設定する
Metaピクセルのデータをさらに強化するために、コンバージョンAPIを設定します。コンバージョンAPIとはサーバー側でデータをトラッキングする方法で、ピクセルのデータが漏れるのを防ぎ、精度を向上させます。パートナー連携を選択すると、設定が簡単です。
Shopifyを選択し、画面の指示に従って、ShopifyストアをFacebookに接続してください。まだ接続していない場合は、この手順が必要です。
MetaピクセルをShopifyストアに接続する方法についての詳細は、ヘルプガイドをご覧ください。また、Meta Pixel Helperをダウンロードして、インストールの確認や問題のトラブルシューティングを行うこともできます。
Metaピクセルのターゲット設定
- カスタムオーディエンス
- カスタムコンバージョン
- カスタムイベントと標準イベント
- Advantage+ オーディエンス(旧ダイナミック広告)
よりいい費用対効果を得られるように、Metaピクセルは4つの主要なターゲティングオプションを提供しています。
1. カスタムオーディエンス
サイトビジターへのリターゲティングに活用できるのが、カスタムオーディエンスです。Metaピクセルがインストールされている場合、あなたのサイトを訪れていて同時にFacebookにログインしているビジターの行動がトラッキング可能となります。彼らがいつ、どのページを見て、どのページを見なかったかが記録されます。このデータを利用することで、細かくターゲティングされたグループに向けて広告が打てます。
なお、Facebookで広告を打つ場合、特定のサイトビジターを選んで広告することはできません。その代わりに、共有された行動に基づいたユーザーグループ(あなたのウェブサイトのカスタムオーディエンス)に向けた広告が可能です。いくつか例を挙げましょう。
- 過去24時間以内にあなたのサイトを訪れた人
- 過去180日以内にあなたのサイトを訪れ、30日以内に戻ってきていない人
- あなたのサイトの特定のページを訪れた人
- あなたのサイトの特定のページを訪れたものの、別の特定のページは訪れていない人
訪れたページ、訪れなかったページ、訪れた時間などに基づいて、カスタムオーディエンスを定義することが可能です。時間軸は、1日〜180日の間で設定できます。
オーディエンスは広告とは別に作成されます。いったんオーディエンスが作成されると、いつから、どの広告を運用するかを選択することができます。あるいは将来使用するために浸透させることも可能です。
2 カスタムコンバージョン
ピクセルで一番すごいのは、カスタムオーディエンスと似た感じでカスタムコンバージョンを作成できることです。カスタムコンバージョンは、任意の「完了ページ」を選択してコンバージョンに名前をつけることで作成されます。「完了ページ」とは、「サンキューページ」のようなものであることが多いです。以下のような例があります。
- ○○様、ありがとうございます!
- お買い上げいただきありがとうございます。発送作業が進行中です。
- サインアップが完了しました。まもなく最初のメールが届きます。
つまり、カスタムコンバージョンはFacebook広告から独立して作成でき、将来的にいつ使用するかを選択することができるのです。
トラッキングピクセルはあなたのサイトの全ページで発生しているため、「完了ページ」を誰かが訪れたら(とくにFacebook広告をクリックした人の場合)、追跡は容易です。
コンバージョンのカテゴリーを選択したり、金額を追記したりすることも可能です。
カスタムコンバージョンのカテゴリーとして選べるものは、以下のようなものがあります。
- 支払い情報を追加
- カートに追加
- ほしい物リストに追加
- 登録の完了
- チェックアウトの開始
- リード
- 購入
- 検索
Facebookに広告を掲載する際、カスタムコンバージョンの興味深い点は、最適化をしているか否かにかかわらず、一度作成されるとあなたのすべての広告についてトラッキングできることです。すべてのカスタムコンバージョンは、つねに追跡されます。いつでも、Facebook広告におけるカスタムコンバージョンのコンバージョン率について、レポートを作成することができます。
3 カスタムイベントと標準イベント
サイト上でユーザーがアクションを取ると、Metaピクセルがそのアクションを「イベント」として記録します。
Metaピクセルでは、次の2種類のイベントを追跡できます:
- 標準イベント:Metaが広告製品全体で認識する、あらかじめ定義されたアクション。
- カスタムイベント:Metaが標準で提供していないイベントで、独自の名前を付けて設定するもの。
Metaピクセルの標準イベント
Metaピクセルには、シンプルなイベントコードをコピペするだけで利用できる、17種類の標準イベントがあります。
-
Add payment info(支払い情報の追加):チェックアウト時に支払い情報を追加するアクションを記録。
-
Add to cart(カートに追加):商品をショッピングカートに追加するアクションを記録。
-
Add to wishlist(ウィッシュリストに追加):商品をウィッシュリストに追加するアクションを記録。
-
Complete registration(登録完了):イベント登録やメールサブスクリプションへのサインアップを記録。
-
Contact(連絡):ビジネスに問い合わせがあったアクションを記録。
-
Customize product(商品のカスタマイズ):商品のカスタマイズ(例:色を選択)を記録。
-
Donate(寄付):訪問者がビジネスに寄付したアクションを記録。
-
Find location(場所の検索):ビジネスの場所を検索したアクションを記録。
-
Initiate checkout(チェックアウト開始):チェックアウトボタンをクリックしてプロセスを開始するアクションを記録。
-
Lead(リード):訪問者がリード(例:フォーム送信やトライアル開始)として登録したアクションを記録。
-
Purchase(購入):購入を完了し、サンクスページや確認ページに到達したアクションを記録。
-
Schedule(予約):ビジネスの予約を行ったアクションを記録。
-
Search(検索):ウェブサイトやアプリ内で検索を行ったアクションを記録。
-
Start trial(トライアル開始):商品やサービスのトライアルを開始したアクションを記録。
-
Submit application(申請の送信):商品、サービス、またはプログラムへの申請を送信したアクションを記録。
-
Subscribe(サブスクリプション登録):有料サービスや商品のサブスクリプションに登録したアクションを記録。
-
View content(コンテンツの閲覧):特定のランディングページや商品ページを閲覧したアクションを記録。
標準イベントのパラメータ
標準イベントは「パラメータ」をサポートしており、イベントに関する追加情報を記録することができます。:例:
- 商品ID
- カテゴリ
- 購入された商品の数量
- コンテンツタイプ
- コンバージョンの価値
例えば、ウェブサイト全体ではなく特定のカテゴリのスクロール深度を追跡したい場合、訪問者のコンバージョンに関連する行動を基にオーディエンスを分け、さらにカスタムオーディエンスを詳細に設定できます。
カスタムイベント
カスタムイベントは、URLに紐づけられるカスタムコンバージョンとは異なり、特定のURL(例:サンクスページや完了ページ)に依存する必要はありません。:代わりに、関心のあるページに追加のコードスニペットを加えることで、特定のアクションをトラッキングできます。
カスタムイベントの用途::カスタムイベントは、標準イベントで提供される情報を超えたデータを収集するために活用されます。これにより、より柔軟で詳細な分析やターゲティングが可能になります。
Metaピクセルの標準イベントとカスタムイベントを組み合わせて使用することで、広告キャンペーンをより効果的に最適化し、詳細なオーディエンスセグメンテーションやコンバージョン追跡が可能になります。
Meta Advantage+
ECサイトを運営している場合、Metaピクセルを活用してMeta Advantage+ (旧ダイナミック広告)を運用することができますAdvantage+は、AIを利用してキャンペーンオーディエンスを見つける方法で、手動で設定する必要がある要素(ターゲット層の選択や広告配置など)を自動化します。
もし数千点の商品を取り扱っている場合、訪問された特定のページやユーザーの行動に基づいて個別の広告を作成するのは非効率的です。その代わりに、動的広告テンプレートを作成すれば、潜在顧客の行動に応じて表示される内容をカスタマイズすることが可能になります。
他にもメリットとして、動画広告、カルーセル広告、コレクション広告など、Metaが提供するさまざまな広告フォーマットを自動的に選択し、ターゲット層に最適な形で配信することができるという点が挙げられます。
今すぐインストール!
Facebookを使って広告を打つならMetaピクセルは必須の機能です。しかし、機能や導入方法など、いまいち掴みづらいことがあったかもしれません。ぜひ、まだインストールしていない人は、今すぐに入れてみましょう!
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よくある質問
Metaピクセルとは?
Metaピクセルは、サイトに貼り付けることのできるコードで構成されている分析ツールです。このデータを使用することで、将来的にFacebook広告でリターゲティングしたり、彼らがあなたのサイトに戻ってきたときに何をしているかを確認したりできます。