写真撮影は、お金になる趣味の一つです。たとえば、広告などに利用できる素材として、撮影した写真をインターネットを通じて販売することができます。この記事では、サイドビジネスとして写真をネット販売する際に役立つサイトや販売を成功させるコツ、注意点などを解説します。
写真をネット販売できるおすすめサイト14選
1. Shutterstock
Shutterstockは世界的に知名度の高いフォトストックサイトで、海外市場をターゲットにしたい写真家には特におすすめです。外国市場向けに日本らしさの溢れる写真を販売したいなど、海外の需要を取り込むことを目指している写真家にとって、Shutterstockは理想的な選択肢となるでしょう。
報酬は作品のダウンロード数に応じて決まるレベルごとに異なりますが、15~40%の報酬率で収益を得ることができます。ダウンロード数を増やすには、大量の画像を投稿する手法が有効です。なお、報酬率を決めるレベルは毎年1月1日にリセットされます。
報酬は米ドルで支払われますが、PayPal(ぺイパル)などを通じて日本円に換金することが可能です。サイトは日本語にも対応しており、法務や審査に関する情報も充実しているため安心して利用できます。
2. Snapmart
Snapmartは、一眼レフカメラで撮影した高画質な写真だけでなく、スマートフォンで撮影した写真も簡単に出品できるサービスで、SNS感覚で気軽に写真販売を始めたい人に適しています。写真は自由に出品するか、企業のリクエストに応じて素材として出品することが可能です。
報酬率は、活動実績やユーザーランクに応じて30%から60%に設定されています。特定の条件を満たす写真を定められた回数以上出品したり、出品した写真が一定数以上売れたりすると、報酬率が高くなります。こうした仕組みがあるため、継続的な活動が収益アップにつながるといえるでしょう。
3. PIXTA
PIXTAはプロからアマチュアまで幅広いクリエイターが写真やイラストを販売できる、国内有数のフォトストックサイトです。企業のウェブサイトや広告、販促物に使われる写真素材を販売したい人に適しています。
PIXTAでは、作品が販売される前に画質や技量、被写体の内容などが審査されるため、高品質な作品を提供することが求められます。販売価格はサイズによって異なり、最小のSサイズ写真(640×480px程度)は550円、最大のXLサイズ(5200×3900px程度)は5,500円に設定されています。報酬率は22~58%の範囲に設定されており、販売実績が増えると報酬率も上がっていきます。
さらにPIXTAでは、初心者向けにセミナーや撮影会が定期的に開催されているため、未経験者でも安心して写真販売を始めることができます。
4. Adobe Stock
Adobe Stockは、Photoshop(フォトショップ)やIllustrator(イラストレーター)などのAdobe製品と統合されているため、このようなツールを日常的に使用するデザイナーやフォトグラファーにおすすめです。さらに、画像編集ソフトのLightroom(ライトルーム)や管理ソフトのAdobe Bridge(アドビ ブリッジ)から直接写真をアップロードすることもできるため、Adobe関連のソフトウェアを使いこなしている人にとっては利便性が特に高いといえます。
報酬率は一律33%で、販売数に応じてAdobe製品が期間限定で無料となる特典も用意されています。ただし、審査基準が比較的厳しく、高品質な写真でなければ審査を通過することが困難である点は留意しておく必要があります。
5. 写真AC
写真ACは誰でも簡単に写真をアップロードし、無料でダウンロードできる人気のフォトストックサイトです。多くの人に写真を手軽に見てもらいたい初心者や、ダウンロードを通じて少しずつ収益を得たい人に適しています。
写真が一回ダウンロードされるごとに、3.25〜11円の報酬が得られ、5,000円から換金することができます。無料で利用できることから会員数も多く、ダウンロードされる機会が豊富にある点が魅力です。肖像権使用同意を得ている人物写真は報酬が増えるため、工夫次第で収益アップも見込めます。さらに、写真ACを通じて企業からの仕事依頼を受ける可能性もあるため、プロへのステップアップを目指す人にも適しています。
6. iStock Photo
iStock Photoは、総作品数が2,000万点を超えており、毎秒1点の割合でダウンロードされるほどの活発なマーケットです。日本の大手テレビ局を含む世界中の企業で広く利用されており、プロから主婦、学生まで、幅広いクリエイターが写真を販売しています。なかでもビジネスやライフスタイル、スポーツ、旅行などのジャンルは特に人気があります。日本の風景や人物なども人気ジャンルの一つであるため、さまざまな写真を撮って販売したい人におすすめのプラットフォームです。
報酬率は15%ですが、iStock Photoに提供した写真をほかのサイトで販売しない専属コントリビューターになれば、報酬率はダウンロード数に比例して高くなり、最大で45%まで上昇します。
7. photolibrary
photolibraryは国内で広く利用されている写真販売サイトで、写真の販売価格を自由に設定したい人に適しています。一眼レフで撮影した写真のみが登録可能な点が特徴で、プロの写真家や写真撮影に自信のある人に最適といえるでしょう。
初月の販売手数料は40%ですが、売上回数が増えると手数料が減少し、最大で65%の報酬を得ることが可能です。ただし、登録には審査があり、光の色を調節して白を綺麗に写すホワイトバランスなどの基本的な写真技術が求められるため、未経験者では難しいと感じることがあるかもしれません。
8. Artgene
Artgeneは写真を額装して販売できるため、アート作品を制作している写真家やクリエイターにおすすめです。Artgeneでは、画像をアップロードするだけで額装のシミュレーションや作品の販売まで手軽に行えます。誰でもウェブサイトやアプリから簡単に出品できるだけでなく、自身の世界観を共有するSNSとしても活用できるため、写真撮影を通じて人脈を広げたい人にも適しています。報酬率は70%で、ほかの写真販売サイトと比べて高いのが特徴です。
9. Depositphotos
Depositphotos(デポジットフォト)は、Bosch(ボッシュ)やTripAdvisor(トリップアドバイザー)、SUBARU(スバル)などの大手国際企業にも利用されるグローバルなプラットフォームです。そのため、こうした有名企業に撮影した写真を素材として提供したい人に適しています。Depositphotosは2億9,000万以上の作品と約4,000万のクライアントを有しており、規模が大きい点も特徴であるため、より多くの人に自分の作品を届けたい人にもおすすめできます。
投稿者の経験や画像の解像度に応じて報酬が決定され、報酬率は30~38%に設定されています。報酬率は販売実績に基づいて設定されており、最大の38%まで引き上げるためには150,000以上のダウンロードが求められます。
10. EyeEm
EyeEmは広告に使用される写真に特化した写真販売サイトのため、商業写真を販売したい人に最適です。報酬率50%で写真販売ができるほか、撮影した写真をプラットフォームに投稿したり、お気に入りの写真家をフォローしたりすることができるSNSのような機能が備わっていることが特徴です。また、EyeEmにアップロードされた写真は、Getty Imagesなどのほかのプラットフォームでも販売することができるため、より多くの人に作品を見てもらえる可能性がある点も魅力です。
ただし、利用可能な言語は英語とドイツ語のみであり、問題などが発生して問い合わせする際に日本語を使用できない点には注意が必要です。
11. 123RF
123RFは非独占的な写真販売プラットフォームであるため、ほかのサイトでも同時に作品を販売したいクリエイターにおすすめです。21円から写真を購入できる手軽さから世界中の人々に利用されており、幅広く写真を販売できます。報酬は、売上価格の30〜60%が米ドルで支払われます。
より多くの人に写真を見てもらうには、写真にキーワードや説明文を記載することが必要です。サイト上ではいずれも英語で記載されていますが、自動翻訳機能が備わっているので英語力は不要です。そのため、海外での販売を視野に入れた写真家にもおすすめのプラットフォームです。
12. Dreamstime
Dreamstimeは、2000年に設立されたフォトストックサイトで、世界中の民間企業から大手企業まで幅広い顧客に高品質な画像を提供しています。Dreamstimeは報酬率を最大で60%まで高められる点が魅力ですが、その場合はDreamstimeだけに写真を提供することが求められます。独占的に写真を提供しない場合は、写真の売り上げに応じて25%から50%の報酬率で収益が支払われます。
加えて、世界中の写真家やデザイナーと交流できる機能が備わっていることも特徴で、ブログやメッセージボードを通じて、デザインのヒントや写真のコツを学ぶことができます。日本語には対応していないため英語での操作が必要ですが、国際的な市場で自分の写真を販売したい人におすすめのプラットフォームです。
13.Envato Elements
Envato Elementsは、厳しい審査を通過した高度な技術を持つ写真家のみが参加できるため、プロフェッショナルな環境で作品を販売したい人におすすめです。全世界で200万人以上の顧客を抱え、クリエイターコミュニティ全体で10億ドル以上の収益を生み出しており成長が続いていることから、今後も利用者が増えることが見込まれています。
Envato Elementsでは、サイトに写真をアップロードし、一枚ずつ販売できるだけでなく、サブスクリプションモデルで安定した収益を得られるのが特徴です。報酬率は個別販売だと45%、サブスクリプションだと50%に設定されています。
14. ココナラ
ココナラは、さまざまなスキルを売買できる日本最大級のスキルマーケットで、撮影した写真だけでなく、写真を撮影・編集する技術といった無形商品の販売も視野に入れている人におすすめです。一眼レフカメラで撮影した本格的な写真はもちろん、スマホで撮影した写真も販売することができます。販売できる写真もさまざまで、たとえば料理や食品の写真、街の風景写真など日常生活で簡単に撮影できる写真も販売できるため、初心者でも気軽に始められるでしょう。しかし、ユーザー数が多いため競争も激しく、結果が出るまでには時間がかかる可能性があります。
販売価格は自由に設定できますが、写真素材を提供する場合、3,000円を下回る価格にはできません。なお、コンテンツ販売の「写真・動画」を選択すると500円から写真を販売することも可能です。販売するにあたって、販売価格の22%が手数料としてかかる点も留意する必要があります。
写真のネット販売を成功させるコツ
写真のテーマをニッチなジャンルに絞る
成功している写真家は作品全体に一貫したスタイルやテーマを持っており、なかでもニッチなジャンルに焦点を当てている写真家は多いです。消費者を惹きつけるスタイルやテーマを探し、需要はあるが供給が少ないニッチなジャンルを模索しましょう。見つけたジャンルの実際の需要は、Googleトレンドのようなキーワード検索ツールで関連用語の検索ボリュームを分析することで判断できます。ニッチなジャンルを見つけることができたら、そのテーマやスタイルで一貫した写真を撮影し販売しましょう。
SNSを活用する
ブロガーやユーチューバーと同様に、写真をネットで販売している写真家も、売り上げを伸ばすためには認知度を上げる必要があります。写真の投稿を中心とするInstagram(インスタグラム)などのSNSを活用すれば、幅広いユーザーを対象に写真家としての活動を発信することができます。InstagramやPinterest(ピンタレスト)で自分の写真に興味を持ってくれそうなアカウントをフォローしたり、活動に関連のある人気のハッシュタグでほかのアカウントと交流したりする活動を通じて、認知度を上げましょう。
また、写真販売サイトにはSNS機能をもっているものもあります。そういったサイトを通じてほかの写真家とつながり、技術向上やインスピレーションを得ることも可能です。
さらにSNSには、さまざまなSNSアカウントを連携することでプラットフォーム間での写真共有や管理が容易になり、より多くの見込み客にリーチできるようになるメリットもあります。たとえばInstagramは、Facebookと連携したあとにInstagramで写真を投稿すると、同時にFacebookにも同じ画像を投稿できます。
フォトストックサイトにEコマースを統合する
ほとんどの写真家は、見込み客に作品を紹介するためのホームページを持っています。こうしたサイトにEコマースを統合しましょう。たとえば、Shopifyを利用してサイトに購入ボタンを追加するだけで、サイトを訪れた消費者が写真を簡単に購入できるようになります。
実際、写真家のDave Sandford(デイブ サンドフォード:英語)は、野生動物の写真を展示する場、そして写真プリントやカレンダーを購入できる場として機能するサイトを運営しています。
写真をネットで販売する最も簡単な方法の一つは、Shopifyでポートフォリオやオンラインストアを構築することです。アートに適したテーマや無料のテーマとギャラリーアプリを組み合わせて写真販売サイトを作成しましょう。Shopifyは現物販売だけでなくデジタルコンテンツの販売にも適しており、SNSと連携させたマーケティングも行いやすいため、構築した写真販売サイトを収益化しやすくなっています。
サービスとして写真をネット販売する方法
イベント撮影やアパレル撮影など、サービスとして写真をネット販売する方法には、クラウドワークスやランサーズといったクラウドソーシングサイトにサービスを掲載する手法があります。仕事の募集自体はオンラインで行えますが、地元での人脈を広げることもクライアント獲得のためには必要です。
写真をサービスとして販売するための人脈づくりのヒントをいくつか紹介します。
- 名刺は常に携帯しましょう。いつ見込み客に出会うかわかりません。(Shopifyの無料の名刺作成ツールで自分の名刺を作成できます。)
- 提供している主な写真サービス、たとえばイベント撮影などに最適化したプロフィールやポートフォリオを用意しましょう。
- イベントの主催者や起業家などプロの写真家を必要とすることが多い人が集まるイベントに参加しましょう。
- 写真家としてのブランドを構築しましょう。
撮影サービスを提供する写真家は、厳しく定められた時間の枠内で活動する必要があります。そのため、見込み客が写真家のスケジュールを確認し、空いている時間に予約できるプラットフォームを持っていると便利です。Shopifyを使用している場合は、BookThatApp(ブックザットアップ)やMeety(ミーティ)などのアプリをインストールすることで、見込み客がサイトから直接予約できるようになります。
写真をネットで販売する際の注意点
肖像権や著作権についてよく理解しておく
写真をネットで販売する際、特に注意しなければならないのが、肖像権と著作権に関する基本的な理解です。肖像権とは、個人の写真が無断で撮影されたり公表されたりしないように保護する権利です。たとえば人が写っている写真を投稿する場合、写っている人の許可が必要になります。そのため、モデルを被写体にする場合は肖像権利用許諾書に署名をしてもらうことが求められます。
一方、著作権は企業のロゴやキャラクター、建物といった創作物に関わる権利です。このような創作物が写り込んだ写真を無断で販売すると、著作権侵害になる可能性があります。写真を販売する際は、許可が必要なものが写っていないかを確認し、必要に応じて適切な許可を取得することが大切です。
販売サイトの規約を守る
写真をネットで販売する際には、各写真販売サイトの規約を厳守することが重要です。規約には、肖像権や著作権を侵害する写真や社会的に不適切とされる写真の取り扱いに関する制約が含まれています。サイトによっては、掲載する写真のフォーマットや解像度、テーマの明確さなど、技術的な要件を記載している場合もあります。違反する場合は、写真の販売を停止されたり、サイトから強制退会されたりするため、規約の遵守は不可欠です。写真を公開する前に、ガイドラインをきちんと確認し、求められている基準を満たしているかどうかを確認するようにしましょう。
所得が年間20万を超える場合は確定申告をする
副業で写真販売を行い、収入が年間20万円を超えた場合は、確定申告をしなければなりません。ここで言う20万円とは、写真販売で得た総収入から必要経費を差し引いたあとの金額です。たとえば売り上げが20万円であったとしても、撮影場所まで移動するために5万円を支払った場合、収益が15万円となるため、確定申告は不要です。ただし、確定申告時に経費であることを証明するために領収証の提出が求められるため、業務に関する領収証などは誤って捨てないように注意しましょう。
まとめ
写真販売は、ネットで稼ぐ方法の一つです。ネットで写真を販売する際は、販売サイト選びや写真の品質に加えて、肖像権や著作権の管理、販売サイトの規約遵守が重要です。副業の場合、所得が年間20万円を超えると確定申告が必要となるため、経費の管理も忘れずに行いましょう。また、写真をサービスとして提供する場合は、顧客とのスケジュール管理や予約受付ができる機能をもつホームページがあると便利です。Shopifyを活用すれば、オリジナルの写真販売サイトを開設できるうえに、こうしたスケジュール管理や予約機能を導入することができます。無料体験も実施していますので、ぜひお気軽にご活用ください。
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よくある質問
写真をネット販売するメリット・デメリットは?
メリット:
- スマートフォンがあれば誰でも始められる
- デジタルコンテンツのため、梱包や配送といった販売の手間がかからない
- 各商品が長期にわたって利益を生む可能性がある
デメリット:
- 写真販売サイトによっては報酬単価が低い場合がある
- 写真の撮影や編集に手間がかかる
- 一眼レフカメラなどの機材を一から揃えると初期費用が高くなる
- 競合が多く、収益化までに時間がかかることがある
写真をネット販売する方法は?
- ダウンロード数に応じて報酬が発生するサイトに写真を投稿する
- 消費者が写真を購入できるサイトで販売する
- スキル販売サイトで写真を販売する
- オンラインストアを開設して写真を販売する
写真をネット販売する前にやるべきことは?
ビジネスプランの作成が必要です。ビジネスプランとは、ビジネスの方針や商品の特徴、収益化の方法などの具体的な計画をまとめた資料のことです。これを作成することで、客観的に経営判断を行えるようになります。加えて、写真を撮影する前に物撮りのコツを学んだり、販売する前に写真・画像編集ソフトを使ってよりクオリティの高いものに仕上げたりすることも売り上げを伸ばすために必要です。
文:Yukihiro Kawata