写真撮影は、お金になる趣味の一つです。たとえば、広告用素材として撮影した写真をオンラインで販売できます。また、多くのサイトでは売り上げが発生しなければ手数料や初期費用は必要なく、0円起業が可能です。この記事では、サイドビジネスとして写真をネット販売する際に役立つサイトや販売を成功させるコツ、注意点などを解説します。
写真をネット販売できるおすすめサイト15選
1. Shutterstock

Shutterstock(シャッターストック)は世界的に知名度の高いストックフォトサイトで、海外市場をターゲットにしたい写真家から人気があります。外国市場向けに日本らしさの溢れる写真を販売したいなど、海外の需要を取り込むことを目指している写真家にとって、Shutterstockは理想的な選択肢となるでしょう。
報酬率は、作品のダウンロード数に応じて決まる「レベル」によって異なり、15~40%となっています。ダウンロード数を増やすには、大量の画像を投稿する手法が有効です。なお、報酬率を決めるレベルは毎年1月1日にリセットされます。
報酬は米ドルで支払われますが、PayPal(ぺイパル)などを通じて日本円に換金することが可能です。サイトは日本語にも対応しており、法務や審査に関する情報も充実しているため安心して利用できます。
- 販売価格:1,120〜9,400円(買い切りのライセンスパックの場合)
- 報酬率:15〜40%、定額制プランでダウンロードされた場合の報酬についてはお問い合わせください
2. Snapmart

Snapmart(スナップマート)は、一眼レフカメラで撮影した高画質な写真だけでなく、スマートフォンで撮影した写真も簡単に出品できるサービスで、SNS感覚で気軽に写真販売を始めたい人に適しています。写真は自由に出品できるほか、企業のリクエストに応じて素材として出品することも可能です。
報酬率は、活動実績やユーザーランクに応じて設定されています。特定の条件を満たす写真を定められた回数以上出品したり、出品した写真が一定数以上売れたりすると、報酬率が高くなります。こうした仕組みがあるため、継続的な活動が収益アップにつながるといえるでしょう。
- 販売価格:330~1,650円(単品販売の場合)、定額制プランでダウンロードされた場合は1枚88円
- 報酬率:30〜60%
3. PIXTA

PIXTA(ピクスタ)はプロからアマチュアまで幅広いクリエイターが写真やイラストを販売できる、国内有数のフォトストックサイトです。企業のウェブサイトや広告、販促物に使われる写真素材を販売したい人に適しています。
PIXTAでは、作品が販売される前に画質や技量、被写体の内容などが審査されるため、高品質な作品を提供することが求められます。販売価格はサイズや定額制プランによって異なり、販売実績が増えると報酬率が上がる仕組みです。
PIXTAでは、初心者向けにセミナーや撮影会が定期的に開催されているため、未経験者でも安心して写真販売を始めることができます。
- 販売価格:単品販売の場合、Sサイズ(640×480px程度)550円~XLサイズ(5200×3900px程度)5,500円
- 報酬率:22~58%、定額制プランでダウンロードされた場合は0.27~0.85クレジット(1クレジットあたり100円程で換金)
4. Adobe Stock

Adobe Stock(アドビ ストック)は、Photoshop(フォトショップ)やIllustrator(イラストレーター)などのAdobe製品と統合されているため、このようなツールを日常的に使用するデザイナーやフォトグラファーの方は利用しやすいでしょう。さらに、画像編集ソフトのLightroom(ライトルーム)や管理ソフトのAdobe Bridge(アドビ ブリッジ)から直接写真をアップロードすることもできるため、Adobe関連のソフトウェアを使いこなしている人にとっては利便性が特に高いといえます。
写真の出品者には販売収益の報酬に加えて、販売数に応じてAdobe製品が期間限定で無料となる特典も用意されています。ただし、審査基準が比較的厳しく、高品質な写真でなければ審査を通過することが困難である点は留意しておく必要があります。
- 販売価格:12~50クレジット(5クレジット6,490円等)
- 報酬率:一律33%(1クレジットあたり1米ドルで換金)、サブスクリプションプランでダウンロードされた場合は0.33ドル~26.4ドル)
5. 写真AC

写真ACは誰でも簡単に写真をアップロードし、無料でダウンロードできる人気のフォトストックサイトです。多くの人に写真を手軽に見てもらいたい初心者や、ダウンロードを通じて少しずつ収益を得たい人に適しています。
写真が一回ダウンロードされるごとにポイントで報酬が得られ、5,000ポイント(5,000円)から換金することができます。無料で利用できることから会員数も多く、ダウンロードされる機会が豊富にある点が魅力です。肖像権使用同意を得ている人物写真は報酬が増えるため、工夫次第で収益アップも見込めます。さらに、写真ACを通じて企業からの仕事依頼を受ける可能性もあるため、プロへのステップアップを目指す人にも適しています。
- 販売価格:無料
- 報酬:3.25〜11円/ダウンロード
6. iStock Photo

iStock Photo(アイストック フォト)は、総作品数が2,800万点を超えており、毎秒1点の割合でダウンロードされるほどの活発なマーケットです。日本の大手テレビ局を含む世界中の企業で広く利用されており、プロから主婦、学生まで、幅広いクリエイターが写真を販売しています。なかでもビジネスやライフスタイル、スポーツ、旅行などのジャンルは特に人気があり、日本の風景や人物なども人気ジャンルの一つです。
報酬率は非専属と専属で変動する仕組みで、専属の報酬率はダウンロード数に比例して高くなります。
- 販売価格:1~3クレジット(1クレジット1,200円等)
- 報酬率:非専属15%、専属25〜45%、サブスクリプションプランでダウンロードされた場合は1件あたり0.1~4.15ドル
7. photolibrary

photolibrary(フォトライブラリー)は国内で広く利用されている写真販売サイトで、写真の販売価格を自由に設定したい人に適しています。一眼レフで撮影した写真のみが登録可能な点が特徴で、プロの写真家や写真撮影に自信のある人に最適といえるでしょう。
photolibrary以外でも販売する場合と独占で販売する場合で報酬率が異なり、どちらも販売回数が増えると報酬率が増える仕組みです。ただし、登録には審査があり、光の色を調節して白を綺麗に写すホワイトバランスなどの基本的な写真技術が求められるため、未経験者では難しいと感じることがあるかもしれません。
- 販売価格:自由に設定可能
- 報酬率:一般29〜46%、独占43〜65%
8. Artgene

Artgene(アートジーン)は、写真を素材としてではなく、額装したアート作品として販売できるサイトです。Artgeneでは、画像をアップロードするだけで額装のシミュレーションや作品の販売まで手軽に行えます。誰でもウェブサイトやアプリから簡単に出品できるだけでなく、オンラインギャラリーにより自身の世界観を共有するSNSとしても活用できるため、写真撮影を通じて人脈を広げたい人にも適しています。ほかの写真販売サイトと比べて報酬率が高いのも特徴です。
- 販売価格:自由に設定可能
- 報酬率:70%
9. Depositphotos

Depositphotos(デポジットフォト)は、Bosch(ボッシュ)やTripAdvisor(トリップアドバイザー)、SUBARU(スバル)などの大手国際企業にも利用されるグローバルなフォトストックサイトです。撮影した写真を有名企業に素材として提供したい人に適しています。Depositphotosは3億1,000万以上の作品と約4,400万のクライアントを有しているため、より多くの人に作品を届けることができます。
報酬率は販売実績に基づいて設定されており、最大の38%まで引き上げるためには150,000以上のダウンロードが求められます。
- 販売価格:1.79〜89米ドル(パック購入の場合)
- 報酬率:パック購入30〜38%、購読プラン0.25〜0.33米ドル
10. EyeEm

EyeEmは広告に使用される写真に特化した写真販売サイトのため、商業写真を販売したい人に最適です。撮影した写真をプラットフォームに投稿したり、お気に入りの写真家をフォローしたりすることができるSNSのような機能が備わっていることが特徴です。また、EyeEmにアップロードされた写真は、Getty Imagesなどのほかのプラットフォームでも販売することができるため、より多くの人に作品を見てもらえる可能性がある点も魅力です。
ただし、利用可能な言語は英語とドイツ語のみであり、問題などが発生して問い合わせする際に日本語を使用できない点には注意が必要です。
- 販売価格:5.5〜349米ドル
- 報酬率:50%
11. 123RF

123RFは非独占的な写真販売プラットフォームであるため、ほかのサイトでも同時に作品の販売が可能です。世界44か国で販売されており、17言語に対応しているため、写真をグローバルに販売できます。より多くの人に写真を見てもらうコツとしては、写真にキーワードや説明文を記載する方法が効果的です。
- 販売価格:10~50チケット(50チケット6,150円等)
- 報酬率:30〜60%
12. Dreamstime

Dreamstimeは、2000年に設立されたフォトストックサイトで、世界中の民間企業から大手企業まで幅広い顧客に高品質な画像を提供しています。世界中の写真家やデザイナーと交流できる機能が備わっていることも特徴で、ブログやメッセージボードを通じて、デザインのヒントや写真のコツを学ぶことができます。日本語には対応していないため英語での操作が必要ですが、国際的な市場で自分の写真を販売したい人におすすめのプラットフォームです。
- 販売価格:1クレジット~(3クレジット2,274円等)
- 報酬率:25〜50%、独占25〜60%+0.20米ドル/投稿
13. Envato

Envatoは、厳しい審査を通過した高度な技術を持つ写真家のみが参加できるため、プロフェッショナルな環境で作品を販売したい人におすすめです。全世界で200万人以上のユーザーを抱え、クリエイターコミュニティ全体で10億ドル以上の収益を生み出しており成長が続いていることから、今後も利用者が増えることが見込まれています。
Envato Elementsでは、サイトに写真をアップロードし、一枚ずつ販売できるだけでなく、サブスクリプションモデルで安定した収益を得られるのが特徴です。
- 販売価格:出品者が設定可能
- 報酬率:非独占販売の場合55%、サブスクリプションプランでダウンロードされた場合の報酬はお問い合わせください
14. ココナラ

ココナラは、さまざまなスキルを売買できる日本最大級のスキルマーケットで、撮影した写真だけでなく、写真を撮影・編集する技術といった無形商品の販売も可能です。一眼レフカメラで撮影した本格的な写真はもちろん、スマホで撮影した写真も販売できます。料理や食品の写真、街の風景写真など日常生活で簡単に撮影できる写真も販売できるため、初心者でも気軽に始められます。しかし、ユーザー数が多いため競争も激しく、結果が出るまでには時間がかかる可能性があります。
写真素材の販売では3,000円を下回る価格にはできません。ただし、コンテンツ販売の「写真・動画」を選択すると500円から写真を販売できます。
- 販売価格:自由に設定可能(最低金額あり)
- 報酬:78%(手数料22%)
15. 500px

500pxは、世界中の何百万人もの会員から利用されており、世界的に有名なフォトストックサイトです。写真の販売だけでなく、ほかの写真家のギャラリーをフォローしたり、プロの写真家からフィードバックを得られたりできるので、写真家向けのオンラインコミュニティとしても活用されています。ポートフォリオとして利用する方やグローバルな活動を目指している写真家が多い傾向にあります。有料会員であれば無制限で写真の公開が可能です。
- 販売価格:お問い合わせください
- 報酬率:非独占コンテンツの場合25%、無料登録の独占コンテンツの場合60%、有料登録の独占コンテンツの場合100%
写真のネット販売を成功させるコツ
写真のテーマをニッチなジャンルに絞る
成功している写真家は作品全体に一貫したスタイルやテーマを持っており、なかでもニッチなジャンルに焦点を当てている傾向にあります。Googleトレンドのようなキーワード検索ツールを利用すれば、検索ボリュームからニッチなジャンルかどうか判断できます。ニッチなジャンルを見つけられたら、そのテーマやスタイルで一貫した写真を撮影し販売しましょう。
SNSを活用する
ブロガーやユーチューバーと同様に、写真をネットで販売している写真家も、売り上げを伸ばすためには認知度を上げる必要があります。写真の投稿を中心とするInstagram(インスタグラム)などのSNSを活用すれば、幅広いユーザーを対象に写真家としての活動を発信することができます。InstagramやPinterest(ピンタレスト)で自分の写真に興味を持ってくれそうなアカウントをフォローしたり、活動に関連のある人気のハッシュタグでほかのアカウントと交流したりする活動を通じて、認知度を上げましょう。
また、写真販売サイトにはSNS機能を持っているものもあります。そういったサイトを通じてほかの写真家とつながり、技術向上やインスピレーションを得ることも可能です。
さらにSNSには、さまざまなSNSアカウントを連携することでプラットフォーム間での写真共有や管理が容易になり、より多くの見込み客にリーチできるようになるメリットもあります。たとえばInstagramは、Facebook(フェイスブック)と連携したあとにInstagramで写真を投稿すると、同時にFacebookにも同じ画像を投稿できます。
フォトストックサイトにEコマースを統合する
多くの写真家は、自身の作品を紹介するホームページを持っています。そこにEコマースの機能を追加すれば、顧客が気になった写真をその場で購入できるようになります。たとえば、Shopify(ショッピファイ)を利用すれば、購入ボタンの追加や、現物販売だけでなくデジタルコンテンツの販売も可能です。ポートフォリオとオンラインストアをひとつにまとめることで、写真のネット販売がスムーズになります。Shopifyでは、アートに適したテーマや無料のテーマとギャラリーアプリを組み合わせて写真販売サイトを簡単に構築できます。SNSマーケティングにも対応しているため、収益化に効果的です。
写真撮影サービスをネットで販売する方法
イベント撮影やアパレル撮影など、写真撮影サービスをネットで販売する方法として、クラウドワークスやランサーズなどのクラウドソーシングサイトにサービスを掲載するのが一般的です。また、予約機能付きサイトがあると、顧客が自分で空き状況を確認できるため、予約につながりやすくなります。Shopifyを使用している場合は、Meety(ミーティ)などのアプリをインストールすることで、顧客がサイトから直接予約できるようになります。
写真をネットで販売する際の注意点
肖像権や著作権についてよく理解しておく
ネットで写真を販売する際、肖像権と著作権に関する理解が重要です。
- 肖像権:人が写っている写真は本人の許可が必要。モデルを被写体にする場合は、肖像権利用許諾書に署名してもらう。
- 著作権:企業のロゴやキャラクター、建物などの創作物が写り込んだ写真を無断で販売すると、著作権侵害になる。必要に応じて適切な許可の取得が必要。
販売サイトの規約を守る
各写真販売サイトの規約には、肖像権や著作権のルールのほかに、掲載する写真のフォーマットや解像度、テーマの明確さなど、技術的な要件を記載している場合もあります。違反する場合は、写真の販売停止や強制退会されるリスクがあるため、写真を公開する前に規約を確認し、基準を満たしているかどうかを確認するようにしましょう。
まとめ
写真販売は、ネットで稼ぐ方法の一つです。ネットで写真を販売する際は、販売サイト選びや写真の品質に加えて、肖像権や著作権の管理、販売サイトの規約遵守が重要です。また、写真撮影などをサービスとして提供する場合は、顧客とのスケジュール管理や予約受付ができる機能を持つホームページがあると便利です。Shopifyを活用すれば、オリジナルの写真販売サイトを開設できるうえに、こうしたスケジュール管理や予約機能を導入することができます。無料体験も実施していますので、ぜひお気軽にご活用ください。
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よくある質問
写真をネット販売するメリット・デメリットは?
メリット:
- スマートフォンがあれば誰でも始められる
- デジタルコンテンツのため、梱包や配送といった販売の手間がかからない
- 各商品が長期にわたって利益を生む可能性がある
デメリット:
- 写真販売サイトによっては報酬単価が低い場合がある
- 写真の撮影や編集に手間がかかる
- 一眼レフカメラなどの機材を一から揃えると初期費用が高くなる
- 競合が多く、収益化までに時間がかかることがある
写真をネット販売する方法は?
写真をネット販売する方法は、次のとおりです。
- ダウンロード数に応じて報酬が発生するサイトに写真を投稿する
- 消費者が写真を購入できるサイトで販売する
- スキル販売サイトで写真を販売する
- オンラインストアを開設して写真を販売する
写真をネット販売する前にやるべきことは?
写真をネット販売する前にやるべきことは、ビジネスプランの作成です。ビジネスプランとは、ビジネスの方針や商品の特徴、収益化の方法などの具体的な計画をまとめた資料のことです。これを作成することで、客観的に経営判断を行えるようになります。加えて、写真を撮影する前に物撮りのコツを学んだり、販売する前に写真・画像編集ソフトを使ってよりクオリティの高いものに仕上げたりすることも売り上げを伸ばすために必要です。
ネット販売する写真の上手な撮り方は?
ネット販売する写真の上手な撮り方としては、写真のイメージにあった明るさや構図のバランスを意識することが挙げられます。撮影する被写体やテーマをニッチなジャンルに絞ることで、一貫したスタイルやイメージが明確になっていくため、より魅力的な作品を撮影しやすくなるでしょう。
文:Momo Hidaka